日本透析医学会雑誌
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原著
二次性副甲状腺機能亢進症治療中の維持血液透析患者におけるエテルカルセチドからウパシカルセトへの切り替えによる影響の検討
吉田 真貴増田 美沙季押川 泰士櫻井 則之針谷 貴子小畑 敬子吉田 弘明小林 さつき松本 孝之植木 嘉衛
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2023 年 56 巻 6 号 p. 215-224

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抄録

【目的】エテルカルセチド(E)からウパシカルセト(U)へ切り替える際の安全性と有効性を評価する.【方法】EからU 25μgへ切り替えを行った二次性副甲状腺機能亢進症(SHPT)治療中の透析患者90例をE投与量で4群に分けて後ろ向きに評価した.【結果】切り替え後,高用量群(E 7.5~10mg),超高用量群(E 15mg)において,血清Whole(W)-PTH,補正Ca値の上昇を認め,その後,Uの増量に伴い切り替え前値まで低下した.48週後の血清W-PTH達成率は4群とも切り替え前値以上となった.低Ca血症などの有害事象の発現は認めなかった.【結語】EにてSHPT治療中の透析患者において,U 25μgへの切り替えを行ったところ,安全性,有効性に特段の問題を生じなかった.しかし,とくに,Eが7.5mg以上投与されている患者を切り替える際には,血清W-PTH,補正Ca値が一過性に上昇する可能性に留意する必要がある.

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© 2023 一般社団法人 日本透析医学会
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