日本透析医学会雑誌
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男女共同参画推進委員会報告
2023年度透析専門医勤務状況
―透析療法領域における男女共同参画実態調査―
濱田 千江子高橋 直子森石 みさき
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2025 年 58 巻 7 号 p. 339-346

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抄録

2024年4月の医師の働き方改革導入に先立ち,2023年12月4日~2024年1月31日に,日本透析医学会に所属する透析専門医6,601人(男性4,969人・女性1,632人)を対象に,キャリア意識と働き方改革が男女共同参画に与える影響について調査を実施した.女性専門医は40歳代が中心で,継続研修を希望する声は男女ともに多かったが,時間や施設環境が実施の障壁とされた.男性の育児参加意識は高まっているものの,育児休暇の取得率は6%,期間も短く課題が残る.働き方改革の男女共同参画への影響については,「わからない」,「できない」との回答が半数以上を占めたが,一方で効率的な働き方によって子育てやプライベート時間の充実を期待する意見もみられた.この数年で子育て世代の女性を中心に時短勤務が導入されており,働き方改革の導入によって医師としての勤務以外の時間を男女ともに考える時代が訪れた.今後,透析療法領域における実効的な男女共同参画の浸透が期待される.

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© 一般社団法人 日本透析医学会
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