【目的】血液透析(HD)患者の副甲状腺ホルモン濃度(PTH)をHD前後で測定し血清カルシウム濃度(Ca),血清リン濃度(P)など他の因子との関連をみた.【対象】骨粗鬆症治療薬未使用HD患者104例.【方法】HD前後のPTHの変化率で3群に分け,Ca,P,HD歴,二次性副甲状腺機能亢進症治療薬の使用率を比較した.HD前後のPTHを目的変数とした重回帰分析を行った.【結果】PTHが20%以上低下した74例ではHD前のCaが有意に低かった.PTHが50%以上上昇した4例ではすべてウパシカルセトが使われ,有意にHD前のCaが高くHD歴が長かった.PTHを規定する因子はHD前後ともにCa,P,HD歴であった.【結語】PTHはHD前後で変動し,規定因子としてCa,P,HD歴があった.HD後PTHが低下した群ではHD前Caが低く,高度に上昇した群ではHD前Caが高くHD歴が長かった.