日本透析医学会雑誌
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症例報告
妊娠により心不全増悪を認めた血液透析患者の1例
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2026 年 59 巻 2 号 p. 55-59

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抄録

間質性腎炎による末期腎不全にて7歳時に腹膜透析導入,同年に母親をドナーとした生体腎移植を受けたが29歳時に血液透析(hemodyalisys: HD)導入となった.35歳で自然妊娠が判明し,以降週5回のHDへ移行した.妊娠12週に呼吸困難が出現し,心エコーにてEjection Fraction(EF)40%と低下,また心不全所見を認め入院となった.週6回のHDおよびドライウェイト(dry weight: DW)を200 g下げることで症状が改善した.以降,心機能を評価しながらDWを+0.4 kg/週で上方修正していった.妊娠22週に再度心不全を発症し緊急入院,EF 20%と著明な低下を認めた.DWを1.6 kg/週で下げることで心不全症状は改善した.胎児発育や羊水量に問題がないことを確認しながらDWは変更せず妊娠24週に緊急帝王切開術を施行した.胎児は体重512 gで娩出し,Apgar score 1分値5点/5分値7点であった.分娩後,心不全の増悪は認めず,週3回の透析へ移行し術後10日目に退院となった.

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