日本透析療法学会雑誌
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血中エリスロポエチン濃度測定用の新しい放射免疫測定法の開発と透析患者における臨床検討
梅津 道夫多川 斉齋藤 恒博山門 実浦部 晶夫高久 史麿桑木 知朗佐々木 透高梨 直樹
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1988 年 21 巻 10 号 p. 913-918

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抄録
遺伝子組換えヒトエリスロポエチンを用いた放射免疫測定法を新たに開発し, 特異性, 感度, 再現性ともに優れた臨床応用可能な血中エリスロポエチン (EPO) 濃度の測定系を確立した. その容量反応曲線は3-250mU/mlの範囲で直接測定が可能であり, 最小測定限界は5mU/mlであった.
本法によって測定したEPOは長期透析患者428例において16.1±8.6mU/ml (m±SD), 正常人86例において17.1±7.2mU/mlであり, 両群間に有意差を認めなかった. 透析患者のEPOは貧血の程度に比して相対的に極めて低値と考えられ, またEPOとHtとの間には相関を認めなかった. 大量の輸血を受けた患者群と非輸血群のEPOはほぼ同値であったが, 一部の高度貧血患者では低値の傾向があり, 輸血を繰り返す必要があった. 正常人, 透析患者ともにEPOは加齢にともなって増加する傾向があったが, 正常人では70歳以上でやや減少した. 透析期間が長いほどHtが高い症例が増加する傾向があるが, 透析期間とEPOの間には有意の相関を認めなかった. 腎不全の原因疾患別にみると, 多発性骨髄腫のEPDは他疾患の患者群よりも有意に高値であった. 多発性嚢胞腎では貧血は軽度であり, EPOはやや高値の傾向を示した. なお, 蛋白同化ステロイド・鉄剤投与の有無, 網状赤血球数, 血液尿素窒素, 血清クレアチニン, 血清鉄, 血清フェリチンとEPOとの間には, 相関を認めなかった.
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© 社団法人 日本透析医学会
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