日本透析療法学会雑誌
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プラスマフェレーシスにおける抗凝固薬としてのFUT-175の使用経験 -ヘパリン非適応例に対する使用について-
伊藤 博夫内藤 周幸林 洋川村 光信宮崎 滋生野 重明
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1988 年 21 巻 10 号 p. 919-923

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抄録
出血傾向または脂質代謝異常を有する患者3例に対して, 抗凝固薬として蛋白分解酵素阻害薬であるFUT-175を用いてプラスマフェレーシスを施行した. 出血傾向を有する患者2例には二重濾過血漿交換 (DFPP) を行い, V型高リポ蛋白血症の患者1例には, 遠心式血漿分離装置と血漿濾過器を組み合わせた遠心濾過プラスマフェレーシス (CFPP) を行った. 血液凝固時間は, セライト活性化凝固時間法により測定した.
出血傾向を有する患者では, 20mg/時のFUT-175持続注入量で体外循環の維持が可能であり, また出血の悪化傾向は認められなかった. 一方, V型高リポ蛋白血症に対するCFPPでは, 血液回路の特殊性により体外循環時間が長くなり, そのために持続注入するFUT-175の量は50-60mg/時が必要と考えられた. さらに, ヘパリン使用後にみられるβリポ蛋白のnegative chargeの増加や遊離脂肪酸の増加は, FUT-175投与後には認められなかった. 従って, FUT-175は脂質代謝に影響しないと考えられた. FUT-175の投与後に副作用はみられなかった. 以上より, 出血傾向や脂質代謝異常を有する患者のプラスマフェレーシスにおける抗凝固薬として, FUT-175は安全かつ有用であると考えられた.
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© 社団法人 日本透析医学会
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