日本透析療法学会雑誌
Online ISSN : 1884-6211
Print ISSN : 0911-5889
ISSN-L : 0911-5889
急性腎不全ラットにおける尿毒症性末梢神経障害に関する研究
柴原 伸久安田 英煥大西 周平岡田 茂樹浜田 勝生宮崎 重中垣 育子佐々木 貞雄
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 21 巻 10 号 p. 925-929

詳細
抄録
尿毒症性末梢神経障害の成因を調べる目的で, 両側腎摘除術によって作製した急性腎不全ラットを用いて坐骨神経伝導速度と坐骨神経軸索内電解質濃度および坐骨神経の形態について検討した. 軸索内電解質濃度は電子プローブX線マイクロアナリシス法により測定した. 結果は1) 腎不全群の坐骨神経伝導速度は29.2±3.1m/sec (n=20) で対照群の37.1±1.9m/sec (n=20) に比し有意に低下していた. 2) 腎不全群の坐骨神経軸索内Na濃度は6.0±0.7mmol/kg wet weight (n=10) で対照群の12.7±1.4mmol/kg wet weight (n=10) に比し有意に低下していた. 3) 腎不全群の坐骨神経軸索の断面積は対照群に比し約16%低下していた. 以上より急性腎不全状態に見られる神経伝導速度の低下の原因として, 神経細胞膜のNa透過性の低下による神経細胞の興奮性の低下と軸索の萎縮が重要な役割を有するものと考えられた.
著者関連情報
© 社団法人 日本透析医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top