日本透析療法学会雑誌
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糖尿病性腎不全による透析患者の食事療法に関する研究
適正なエネルギー, タンパク質摂取量について
金澤 良枝中尾 俊之
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1988 年 21 巻 9 号 p. 825-830

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抄録
糖尿病性腎不全による透析患者の適正なエネルギー, タンパク質の摂取量について, 血液透析20例, CAPD 22例を対象に食事摂取量調査を行い, その調査を行った3ヵ月間における体重変化および血清アルブミン濃度の変化をもとに検討を行った.
その結果安定維持透析患者のエネルギー摂取量は, 血液透析31±2.6kcal/kg・日, CAPD 30±3.4kcal/kg・日 (食事+腹膜吸収量), タンパク質摂取量は血液透析1.23±0.14g/kg・日, CAPD 1.18±0.20g/kg・日であった, エネルギー摂取量は, 血液透析では標準体重あたり27kcal/kg・日以下では体重減少あるいは血清アルブミン濃度の低下を認める症例が多く, 35kcal/kg・日以上では肥満傾向となる可能性を認めた. CAPDでは標準体重あたり28-30kcal/kg・日 (食事+腹膜吸収量) 以下では体重減少あるいは血清アルブミン濃度の低下を認め, 35kcal/kg・日以上では急速に肥満を認める症例が多かった. タンパク質摂取量は, 血液透析では標準体重あたり0.9-1.1g/kg・日以下では体重減少や血清アルブミン濃度の低下を認めたが, 1.4g/kg・日以上摂取した症例でも血清アルブミン濃度の上昇傾向を期待し得なかった. CAPDでは標準体重あたり0.7-1.2g/kg・日以下の症例では高頻度に体重減少や血清アルブミン濃度の減少を認めたが, 1.4g/kg・日以上摂取した症例においても血清アルブミン濃度の上昇を認めなかった.
以上より, 標準体重あたりの1日のエネルギー摂取量は血液透析患者では31-33kcal/kg・日, CAPD患者は30-32kcal/kg・日 (食事+腹膜吸収量), タンパク質摂取量は血液透析患者, CAPD患者とも1.2-1.3g/kg・日を目安とするのが適当と考えられた.
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© 社団法人 日本透析医学会
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