日本透析療法学会雑誌
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重水による全体水分量の測定 (第1報)
健常者, ネフローゼ患者血液透析患者についての比較検討
仲里 聰久保 和雄杉野 信博
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1988 年 21 巻 9 号 p. 837-842

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抄録
全体水分量の測定には重水, tritiumなどが用いられる. 今回, 我々は, 重水を触媒-gas chromatograph法にて分析測定し, 健常者6名, ネフローゼ (NS) 患者7名, 血液透析 (HD) 患者15名について全体水分量 (TBW) を測定し, 比較検討した. 99.8%重水を健常者, NS患者, HD患者に投与し, 採血, 採尿を行ない, 平衡時間を求め, それよりTBWを算出した. 健常者, 浮腫のあるNS患者, 浮腫のないNS患者, そしてHD患者いずれも3時間後には平衡に達した, 健常者の体重に占める全体水分量の割合 (TBW/BW) は61.2±1.2%, 浮腫のあるNS患者で71.3±3.7%, 浮腫のないNS患者で60.9±6.4%, HD患者ではHD前64.5±6.9%, HD後62.6±6.6%であった. 淳腫のあるNS患者のTBW/BWは健常者, 浮腫のないNS患者, HD後のHD患者のそれに比べて有意に大であった. また, HD前のHD患者のTBW/BWは健常者よりも大の傾向にあった. 一方, 健常者, NS患者では, 尿中の重水濃度の測定からも血漿と同様にTBWを求めることができた. HD患者やNS患者の水分管理上, 重水によるTBW測定は有用であると思われる.
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