抄録
虚血性心疾患を合併した難治性高コレステロール血症に対してLDLアフェレーシス (LDL-AP) を継続的に施行し, LDL-AP治療における看護上の問題点について検討した. 対象は家族性高コレステロール血症8名と血液透析中の糖尿病性腎症2名で, 月2回の頻度で通算150回LDL-APを施行した. その結果, 問題点として以下の4点が重要と思われた. 1) 機器準備, 操作の十分な技術習得. 2) 末梢静脈による血流確保の工夫. 3) 治療中の循環動態の詳細な観察. 4) 治療継続のための導入教育と, 社会復帰に妨げにならない治療計画.
これらの点を中心に, LDL-AP治療の看護基準を作成した.