日本透析療法学会雑誌
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透析患者における硝酸イソソルビド (ISDN) テープの血中濃度およびテープ内残存率
村田 敏晃佐々木 靖井上 和秀茨木 一夫千原 純一本岡 精内藤 説也荒川 規矩男
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1990 年 23 巻 12 号 p. 1357-1361

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抄録
血液透析中に起こる狭心症の発生の予防にも硝酸イソソルビド (ISDN) テープは当然有効である. 今回私達は虚血性心疾患を有する慢性維持血液透析患者8例 (男7例, 女1例, 平均年齢69歳) を対象として, ISDNテープ (ISDN 40mg含有) を使用しその有効性, 血中濃度, 透析性, 48時間後のISDNテープ内残存率について検討を行い, 次の結果を得た. 1. 血中濃度は各例でばらつきはあったが, 平均1.2ng/mlで有効濃度を維持できた. 2. 透析性があった. 3. 48時間後のISDNテープ内残存率と血中濃度との間には負の相関関係 (p<0.01) があり, 残存率より血中濃度の推定が可能と考えられ, 非常に面倒な実際の血中濃度測定に代行できる可能性が示唆された.
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© 社団法人 日本透析医学会
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