日本透析療法学会雑誌
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CAPDとその限界
我々の経験より
岡田 一義矢内 充久野 勉奈倉 勇爾高橋 進波多野 道信
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1990 年 23 巻 12 号 p. 1363-1365

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抄録
昭和58年から昭和63年までの当院におけるCAPD社会復帰患者31名 (男性22名, 女性9名, 平均年齢47歳) を対象とし, 平成2年3月の時点での患者の転帰・予後をretrospectiveに検討した. HDに移行した症例10名 (32%), 腎移植を受けた症例2名 (6%), 死亡4名 (13%) であり, CAPDを継続している症例は15名 (48%) であった. HDに移行した原因のうち, 頻回の腹膜炎により社会復帰が困難であった症例が5名と最も多く, またHDに移行した症例のうち80%が, 腹膜炎を合併しなければCAPDをさらに継続できた可能性があった. 以上のことにより, 腹膜炎の予防により, CAPDの長期継続は可能と思われ, そのためには適切な患者選択および患者教育が重要である.
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© 社団法人 日本透析医学会
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