日本透析療法学会雑誌
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慢性透析患者の緊急手術時の問題点
飛田 美穂平賀 聖悟若林 庸道佐藤 威上田 守三
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1991 年 24 巻 2 号 p. 151-156

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抄録
1976年7月より1988年12月までの10年6か月に36例の慢性透析患者の緊急手術例を経験したが, これらのうち1988年度に施行した9例につき臨床的検討を加え以下の結果を得た. 1. 緊急手術例では予定手術例に比して, 術前の血中の尿素窒素およびクレアチニンの値は高く, 代謝性アシドーシスの程度も強く, さらに出血合併例では血液のヘマトクリット値および総タンパク値が低値であった. 2. 術直後の高カリウム血症・肺水腫合併症1例, シャント閉塞例1例および胃切除後小彎ペッツ先端の小リーク合併例1例以外特別な合併症はなく全例軽快退院した. 3. 術中の輸液はソリタT1号®, 術後はブドウ糖液が中心であり, 5例に中心静脈よりの高カロリー輸液を施行した. 中心静脈圧の測定は術中5例, 術後3例に行った. 4. 術後の血液透析開始時期は, 8例が術後1日目であった. 術後の初回透析の抗凝固剤投与法は無ヘパリン透析3例, 減ヘパリン透析5例および通常量ヘパリン透析1例であり, 術後の出血合併例はなかった.
以上の結果より, 慢性透析患者の緊急手術といえども良好な結果が期待できるといえる.
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