日本透析療法学会雑誌
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急性出血性壊死性膵炎に腹膜灌流を施行した血液透析患者の1例
阿部 正浩内海 謙唐仁原 全藤田 省吾河合 達郎高橋 公太寺岡 慧東間 紘阿岸 鉄三太田 和夫
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1991 年 24 巻 2 号 p. 201-205

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抄録
血液透析導入後13年を経過して発症した重症型急性膵炎に対し, 腹膜灌流を施行し良好な結果を得たので報告する. 症例は, 48歳男性. 昭和51年1月, 血液透析導入し, 昭和63年10月より肝障害あり, 他院にて入院透析中であった. 平成1年7月4日, 嘔気, 腹痛あり, アミラーゼ1,586mg/dl, 腹部超音波検査にて膵腫大あり急性膵炎の診断のもと7月6日当院救命センター, 翌7月7日腎センター入院となる. 血液データ, 画像診断より重症型急性膵炎と診断, 保存的治療のほか同日PDカテーテルを挿入し, 赤褐色, 混濁した約120mlの腹水を排出した. 急性出血性壊死性膵炎と診断, 腹膜灌流を開始した. その後, 臨床症状は改善し, 血中, 灌流液中のアミラーゼ等の酵素は再上昇があるも, 減少傾向を示し, 合併症もなく9月7日に退院した.
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