抄録
CAPD療法は, blood accessが不必要であること, 経済性に優れていること, 手技上の容易さなどの利点から, 小児期における慢性腎不全の主流の治療法となりつつある. しかしながら, 本法は優れた方法であるが, 欠点として長期間の施行により, 除水不全, 透析不全という腹膜透過性の変化を生ずることがあげられる. 我々は, ラットCAPDモデルを作成し, 糖濃度が腹膜透過性に及ぼす影響について検討した. 種々の糖濃度の溶液を腹腔に留置したチューブを介しラットに投与し, 腹膜機能を評価した. その結果, 7.0%の糖濃度溶液はリンパ系吸収の変化なしに腹膜の透過性の変化をもたらした. 一般に高浸透圧溶液の反復投与によっては腹膜透過性を増加させ, 限外濾過量を減少させるという結論を得た.