抄録
山形県における透析療法患者は1993年の時点で1,065人である. 年代別推移を見るに男, 女とも毎年5-10%ずつ増加しつつある. 特に50歳以上の糖尿病性腎症患者が増加傾向にある. 慢性透析患者の死因は心不全, 感染症, 脳血管障害が主たるものである. CAPD患者は大多数が自分の意思でこの治療法を選んだが, 透析施設の不足, シャントトラブル, 心疾患などの医療上の理由でCAPD療法を受けている患者も約31%を占める. 慢性腎不全の予防, 病態の改善に若年期より糖尿病のコントロールが必要であることが推測される.