日本透析医学会雑誌
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小児PDカテーテルケアの現状報告
国内外小児PD施設へのアンケート調査より
宇賀神 志津森田 かおり中嶋 玲子秋岡 祐子小松 康宏
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1996 年 29 巻 6 号 p. 1049-1055

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抄録

小児腹膜透析 (PD) 患者においてカテーテル出口部感染症は透析の継続にかかわる重大な合併症であるが, 出口部ケアに統一された方法はない. 今回, 私たちはわが国および北米主要PD施設におけるカテーテルケアの現状を把握するため, 郵送による記入式アンケート調査を行ったので報告する.
調査はわが国の20施設およびNorth American Pediatric Renal Transplant Cooperative Study (NAPRTCS) に所属する66施設のPDナースまたは担当医宛に行った. 調査項目は以下の通りである. (1) カテーテル挿入直後のケア: 初回包帯交換時期, 消毒・出口部カバーの方法, シャワーの開始時期 (2) 日常のカテーテルケア: 包帯交換の頻度, 出口部の清潔ケア方法, シャワー・入浴・水泳の許可について.
アンケートの回収率はわが国, 北米それぞれ65.0%, 43.9%であった. カテーテル挿入直後の出口部ケアは, 概ねpovidone iodine液消毒・ガーゼカバーであった. 術後, 初回の包帯交換は日本では翌日に行われる施設が多かったが, ほとんどの北米施設では2日目以降, 21.4%が7日目に行っていた. 同様に日常の出口部ケアにも違いがみられた. わが国ではpovidone iodine液消毒が多いのに対して, 北米では石鹸洗浄に主眼が置かれ, 48.2%の施設が石鹸だけでケアを行っていた. また, 北米施設の31.0%が出口部をカバーしていないことも特徴的であった.
今回の検討から, 消毒に関する是非はともかくPDカテーテルケアの原則は石鹸と水での入念な洗浄とカテーテルのしっかりした固定であり, 消毒薬や出口部カバーについてはそれぞれの国, および各施設により異なった意見を持っていた. 今後, これらの出口部ケア方法を統一した定義を作り, それに基づいて算出された出口部感染率によって評価していく必要があると考えられた.

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