日本透析医学会雑誌
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急速進行性糸球体腎炎の発症が先行したP-ANCA高値の慢性関節リウマチの1透析例
牛越 博昭多川 斉杉本 徳一郎齋藤 肇長田 太助西尾 恭介石原 桂子
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1997 年 30 巻 7 号 p. 1007-1011

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抄録

症例: 68歳, 男性. 2年前, 感冒様症状を初発として浮腫と急速な腎機能低下が出現した. 開放腎生検にて, ほぼすべての糸球体に半月体形成を認め, 急速進行性糸球体腎炎 (RPGN) と診断した. P-ANCAは, 122U/mlと高値であった. ステロイドを投与したが腎機能は改善せず, 維持透析に移行した. 2年後, 両手の朝のこわばり, 手指関節痛・腫脹, 発熱 (38℃以上) が出現し, CRP 11.7mg/dl, RF 283U/ml, P-ANCA 1660U/mlと高値を示した. 慢性関節リウマチ (RA) と診断し, ステロイド投与により症状は劇的に改善した. その後再燃を認めていない. ANCA関連血管炎がRPGNおよびRAの両者の発症に関与した可能性が示唆された.

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© 社団法人 日本透析医学会
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