日本透析医学会雑誌
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糖尿病性腎不全における血中lamininP1, type IV collagen-7S, procollagen-III-peptideについて
野口 健一柴田 昌典内山 秀男垣見 和宏宇野 賀津子谷口 信吉宇佐美 一政
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キーワード: 糖尿病, 糖尿病性腎症
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1997 年 30 巻 7 号 p. 985-989

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抄録

基底膜の代表的構成成分の指標である血中lamininP1, type IV collagen-7Sとprocollagen-III-peptideの血清レベルを, 顕性腎症非合併糖尿病, 保存期糖尿病性腎不全, 維持血液透析中の糖尿病性腎不全について検討した. 3種の指標は全て, 正常対照, 顕性腎症非合併糖尿病, 保存期腎不全, 維持血液透析患者の順に, すなわち腎症の進行と相関して高かった. 透析患者では, 正常対照との間のみならず保存期腎不全と比しても有意に高かった (p<0.001). 糖尿病性腎症の重症度を判定する上で, BUN, クレアチニンとは異なり, 基底膜の変化という観点からの情報を得られる点で, これらの指標は臨床上有用であろうと考えた.

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