日本透析医学会雑誌
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各種透析器におけるヘパリン最低必要量の検討
細川 正浩佐藤 栄輝浅野 和志上野 信一篠原 伸介松井 則明
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1997 年 30 巻 7 号 p. 991-994

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抄録

抗凝固薬および血小板凝集抑制薬を内服していない慢性維持透析患者を対象とし, 各種透析器におけるヘパリンの最低必要量について比較検討した結果, PSが最も多く, 以下KF, PAN, B2, TF, PC, SD, FBの順であった. また最低必要量の多いKF, PSについて血液ポート角度を従来の18度から7度に変更したものを比較したところポート部での血液の乱流や滞留が改善され最低必要量は有意に減量できた.
ヘパリンの最低必要量は使用する透析器により明らかに異なり, 血液ポート部形状にも大きく左右される. よって膜素材だけでなくハウジングデザインの選定も透析器の抗血栓性において重要である.

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© 社団法人 日本透析医学会
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