日本透析医学会雑誌
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持続的血液浄化療法と適切なデブリードメントにより救命し得た劇症型溶連菌感染症の1例
浅木森 幸晃川西 秀樹崎久保 悦男熊谷 純子森石 みさき大城 望史土谷 晋一郎頼岡 徳在
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1998 年 31 巻 10 号 p. 1343-1346

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抄録
on-line CHDFとデブリードメントにより救命し得た劇症型溶連菌感染症の1症例を経験したので報告する. 患者は39歳男性. 平成8年9月3日高熱, 左下肢痛をきたし3日後に左大腿壊死, 低血圧状態となり入院. 溶連菌感染症による横紋筋融解症, 敗血症を疑い, 皮膚切開ドレナージ, デブリードメント, 大量の抗生剤投与, 昇圧剤投与に加えon-line CHDFを施行した. 全身状態は徐々に改善し, 第9病日より間欠的血液透析 (HD) に変更した. 第22病日より尿量が増加し, 第30病日にHDより離脱した. 第86病日に植皮術を施行し, 現在社会復帰している. 本症例は, 局所に対する適切な皮膚切開ドレナージ, 徹底したデブリードメントを施行し, 十分な栄養, 抗生剤等の薬剤投与をすると同時に早期より持続的血液浄化療法を施行することにより救命できたものと思われる.
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