日本透析医学会雑誌
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両側水腎症から腎不全を呈し, 血液維持透析導入となった非癒合性交叉性骨盤腎の1例
猪瀬 和人河合 弘進田村 茂生平松 範行樋口 慎太郎真下 啓一阿部 由紀子大久保 泰宏吉田 良二黒川 公平林 雅道山中 英寿矢野 新太郎成清 卓二
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1999 年 32 巻 8 号 p. 1149-1153

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抄録

我々は末期腎不全にて発見された, 非癒合性交叉性骨盤腎の1例を経験した. 症例は36歳男性で, 昭和61年頃から腹満感, 平成6年頃から膝関節痛および夜間頻尿を自覚し, また平成7年4月頃に高血圧を指摘されたが, 定期的外来受診を受けておらず, 今回尿路感染症による発熱を呈し当院初診となった.
入院時, 血清クレアチニンと尿素窒素の上昇, 代謝性アシドーシス, 高度の腎性貧血を呈し, 尿毒症に対して緊急血液透析が施行された. 他覚的に高度の腹部膨瘤が認められたため, 腹部CT scan・MRI等を施行し, 多嚢胞性腎形成異常と水腎症との鑑別を要したが, 最終的に, 両側水腎症と診断した. その原因検索の結果, 先天性の非癒合性交叉性骨盤腎による両側水腎症と診断し, 左腎単純全摘による右腎機能の温存を試みたが, 腎機能の改善が認められず, 血液維持透析導入となった.
一般にこのような腎奇形はそう稀ではないが, 初診時より末期腎不全にて発見され, そのまま透析導入までに至る症例報告はなく, ここに報告した.

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