日本透析医学会雑誌
Online ISSN : 1883-082X
Print ISSN : 1340-3451
ISSN-L : 1340-3451
女性透析患者の女性ホルモンとQOL
篠木 はなよ中原 宣子津村 芳子佐々木 智津香大松 佳江岩本 米里川村 正喜岸本 武利
著者情報
ジャーナル フリー

2005 年 38 巻 11 号 p. 1701-1707

詳細
抄録

女性ホルモンであるエストロゲンの欠乏は女性の更年期症状を惹き起こし, QOL低下の要因となっている. 今回20歳から60歳未満の女性透析患者41名, 健常者38名を対象に閉経年齢, 血中FSH, E2値とクッパーマン指数 (更年期症状指数) およびQOL (WHO/QOL 26) との関連を調査した結果, 透析群の閉経年齢は健常者より若かった. 両群においてE2とFSHは有意の逆相関を示した. 透析患者においてはE2およびFSH値とクッパーマン指数の間に有意の関連がみられ, 閉経者のクッパーマン指数は高い. クッパーマン指数とQOLは逆相関した. クッパーマン指数とQOLについては対象全体でも有意の逆相関を示した. 以上のことから女性透析者においては, 早期に閉経, 高FSHを伴った更年期症状も早くから出現し, 症状も強い. それがQOLの低下にも影響を及ぼしていると考えられた.

著者関連情報
© 社団法人 日本透析医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top