日本透析医学会雑誌
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塩酸セベラマー投与による代謝性アシドーシスにおける沈降炭酸カルシウム投与の効果に関する検討
松下 芳雄山内 英治松岡 潔有薗 健二
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2006 年 39 巻 7 号 p. 1245-1250

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抄録
塩酸セベラマー投与により血清HCO3-濃度が低下することが報告されている. 一方, 沈降炭酸カルシウム (炭酸Ca) はアルカリを供給し, 血清HCO3-濃度を上昇させる. われわれは, 塩酸セベラマーに炭酸Caを併用することによる, 代謝性アシドーシス緩和の可能性について検討した.
対象は当院の慢性血液透析患者16名 (男性8名, 女性8名), 年齢51.0±9.6歳, 透析期間58.0±56.0か月であった. 塩酸セベラマー2.25g/日を2週間投与, さらに増量し (2.95±1.4g/日) 2週間投与. この間, 炭酸Caは中止した. つぎに8週間塩酸セベラマーを休薬しwash outした後, 炭酸Ca 1.5/日を投与した状態で, 塩酸セベラマー2.25g/日を2週間, さらに2.95±1.4g/日を2週間投与. 透析開始前の血清HCO3-濃度を測定した.
塩酸セベラマー投与により, 血清HCO3-濃度は有意に低下し, 開始前23.2±1.86mmol/L, 2週間後20.3±1.40mmol/L (p<0.0001), 4週間後19.9±2.07mmol/L (p<0.000001) であった. 炭酸Ca併用時は開始時23.0±1.68mmol/L, 2週間後21.5±2.23mmol/L (p<0.05), 4週間後20.9±2.37mmol/L (p<0.01) であった. 炭酸Ca併用により, 代謝性アシドーシスは有意に軽減された (塩酸セベラマー投与4週間後vs. 炭酸Ca併用4週間後; p<0.01).
透析患者に塩酸セベラマーを投与する際には, 代謝性アシドーシスの面からcalcium (Ca) 含有phosphate (P) 吸着剤を併用するべきである.
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