日本デジタル教科書学会発表予稿集
Online ISSN : 2432-6127
日本デジタル教科書学会第8回年次大会
セッションID: 2G-1C-2
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2G-1C
小学校音楽科におけるプログラミング言語学習環境を活用した授業実践― 子どもの声をブロックにして ―
安田 一平
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抄録

 各学校にある情報教育の環境は限られており,教員一人一人のスキルも様々である。そのため,「プログラミング」というワードに不安を抱く教員も少なくない。2020年の新学習指導要領全面実施に向け,プログラミング教育を指導計画上にどのように位置づけ指導していくかは,喫緊の課題であり悩みとも言える。しかし,学校現場における業務は山積しており,多忙を極めていることもまた周知の事実である。そこで「時間短縮(準備時間,時数負担)」・「低コスト」・「簡単操作」という3つのコンセプトを考慮しつつ,「各教科の学びを確実なものとするプログラミング授業」について考えた。小学校プログラミング教育の手引き(第二版)(H30.11文部科学省)には,「A~D分類の指導例」が示されている。本発表は,そのなかの「B-① 様々なリズム・パターンを組み合わせて音楽をつくることをプログラミングを通して学習する場面」についての授業実践報告である。第4学年音楽科のリズムアンサンブルづくりの学習において,プログラミング言語学習環境「Scratch」を活用した授業を実施した。Scratch内の機能を用いて「児童の音声ブロック」,「休符ブロック」を即席で作成し,それらを組み合わせることでリズムアンサンブルを表現した。プログラミング的思考の育成を図りつつ,音楽科の目標や内容に示されたものを達成するための手立てとして,一定の成果を上げることができた。しかしながら音楽科としての課題,プログラミング教育としての課題も浮き彫りとなった。授業の構想や準備,児童の様子について詳細に報告する。児童・教員,双方の視点から本実践の成果と課題について考察し,今後の教育に生かしたい。

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