心電図
Online ISSN : 1884-2437
Print ISSN : 0285-1660
ISSN-L : 0285-1660
第26回 日本心電学会学術集会 学術諮問委員会提言シンポジウム
不整脈にCa拮抗薬とATPをどう使うか―基礎と臨床―
特発性単形性心室頻拍に対するCa拮抗薬の使い方
大江 透
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 30 巻 1 号 p. 46-54

詳細
抄録
特発性単形性心室頻拍(VT)における特発性は,通常の検査(身体所見,心電図,胸部レントゲン,心臓超音波検査,血液検査)では不整脈以外に異常を認めないことより診断される.したがって,特発性と診断された症例でも,MRI,心筋生検および遺伝子解析などの方法を用いて詳細に調べると,異常が認められる可能性がある.単形性は,VT時の心電図で診断され,QRS波形が単一で一定の場合である.特発性単形性は主にその発生部位から,(1)左脚束枝起源,(2)心室流出路起源,(3)房室弁輪部起源,(4)その他の部位起源,に分類される.また,薬物の有効性から,左脚束枝起源VTはベラパミル感受性VT,心室流出路起源VTはアデノシン感受性VTと各々よばれている.器質的心疾患に合併するVTの薬物治療にはアミオダロンが選択されることが多いが,特発性と診断された患者にはCa拮抗薬が著効する場合がある.本稿では,特発性単形性VTのうち,頻度が高い左脚束枝起源VT(ベラパミル感受性VT)と心室流出路起源VT(アデノシン感受性VT)を取り上げる.
著者関連情報
© 2010 一般社団法人日本不整脈心電学会
前の記事 次の記事
feedback
Top