心電図
Online ISSN : 1884-2437
Print ISSN : 0285-1660
ISSN-L : 0285-1660
心電学フロンティア2023「T波の不思議」
T波異常の臨床的意義
中川 幹子
著者情報
キーワード: T波, 再分極過程, 性差, 自律神経
ジャーナル フリー

2024 年 44 巻 2 号 p. 119-125

詳細
抄録

T波は心室の再分極過程で形成される心電図波形であり,病態に応じて様々な変化を呈する.ST部分を含めたST-T変化の原因は,心室内に活動電位波形の異なる領域が存在するために起こる一次性変化と,心室脱分極過程の変化に起因する二次性変化に分類される.T波形は年齢,性,体格,自律神経活動などに影響されるため個体差が大きい.特に女性では,交感神経の急激な緊張時に心室の再分極異常を起こしやすいため,正常亜型と異常の判別には注意が必要である.また,T波は様々な器質的心疾患で特有な経時的変化を示す.虚血性心疾患以外では,肥大型心筋症,たこつぼ心筋症,急性心膜炎,肺血栓塞栓症,不整脈原性右室心筋症などで病態特有の変化を示す.これらの疾患においては,T波の空間的・時間的変化を注意深く観察することが重要である.

著者関連情報
© 2008, Japan Science and Technology Agency
前の記事 次の記事
feedback
Top