交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
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特集号A(研究論文)
鉄道駅 S1000 形(2人乗り)エスカレーターの歩行率に関する基礎研究
元田 良孝宇佐美 誠史
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2021 年 7 巻 2 号 p. A_54-A_59

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抄録

ここでは鉄道駅におけるエスカレーターの歩行率について、ビデオ観測をもとに基礎的な分析を行った。東京都内の高低差の異なる地下鉄 3 駅の S1000 形(2 人乗り)エスカレーター計 8 基で混雑時、閑散時の調査の結果、次のことが明らかとなった。上り下りでは下りの方が歩行率が高い。交通量との関係は上り下りで異なり、上りは交通量に比例して歩行率が上がるが、下りは相関がない。高低差による影響は今回観測した 20m 程度まででは大きな影響を与えていないと考えられる。ビデオ映像から利用者の停止・歩行をデータにして数量化Ⅱ類で分析した結果、歩行選択と最も相関が高いのはエスカレーター利用中のスマホ等の操作で、次いで手すりの利用、年代等となった。上りでは性別が関係し、女性の歩行選択が低いことが明らかとなった。

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© 2021 一般社団法人 交通工学研究会
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