2026 年 46 巻 1 号 p. 31-38
血管造影室における全身麻酔は自科麻酔によって行っている施設が多く,体温管理を実施している施設は少ない現状がある.全身麻酔による覚醒遅延をきたす症例では,体温が低下し術後のシバリングを認めることが多く,体温低下による覚醒遅延の可能性を考えた.そこで全身麻酔を行ったカテーテルアブレーション(以下,ABL)患者の体温変化の状況と,覚醒遅延の関係性を調べた.【対象・方法】2020年5月~2022年9月の全身麻酔ABL患者クライオアブレーション(以下,Cryo)で治療を行った群(n=129)・高周波カテーテルアブレーション(以下,RF)で治療を行った群(n=70)を対象とし,体温変化と覚醒までの時間を調査した.体温低下に対して,温風加温機による体温管理を実施した.2022年10月~2023年10月の全身麻酔ABL患者Cryo群(n=65)・RF群(n=27)での体温変化と覚醒までの時間を,導入前のデータと比較検討した.【結果・考察】覚醒時間を中央値で比較した際に,導入後では覚醒時間は5分短縮されたことがわかった.また,体温低下が-1℃以上になると覚醒遅延が起こりやすいということが明らかになった.