心電図
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健常成人の年齢と24時間心電図による心拍数および期外収縮の出現頻度に関する研究
北野 幸英
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1991 年 11 巻 2 号 p. 174-182

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抄録

問診を含めた非観血的検査によって種々の疾患を除外したいわゆる健常人164人 (14~87歳) を対象として, 日常生活内の心拍数および期外収縮の出現状況を検討した.24時間総心拍数 (THB) は年齢と負の相関を示し (p<0.01) , 最低心拍数は正の相関を示した (p<0.001) .心室性期外収縮 (VPC) の出現頻度は年齢とともに増加したが, 24時間VPC総数と年齢との間には有意な相関はなかった.心房性期外収縮 (APC) は159人 (97%) に認め, 24時間APC総数の対数は年齢と明らかな相関を示し (r=0.659 p<0.001) , 連発APCの出現頻度も増加し, APCは加齢とともに量的にも質的にも変化することが示された.今回の成績は健常人の日常生活内における検討を行ったものであり, 洞結節自動能および反応性の年齢による変化, 生活様式および運動量などの相違, 加齢に伴う自律神経系の緊張度あるいは心血管系を含む諸臓器の変化などを含めた総合的な反応を示すものと考えられた.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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