心電図
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連発性心室期外収縮の連結期に及ぼす抗不整脈薬の影響
韓 樹中碓井 雅博三輪 篤子栽原 伸一郎岡井 容子大城 雅也川久保 清井上 博杉本 恒明
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1991 年 11 巻 3 号 p. 307-313

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抄録

長時間心電図記録を用い, 短時間内に出現する二連発以上の心室期外収縮の先行周期 (NN) と連結期 (NV) との関係, NVと後続連発周期 (VV) との関係, およびこれらに対する抗不整脈薬の影響について検討した.抗不整脈薬投与前の28例ではNN-NV, NV-VV相関関係が一致したものは50%, 逆のものは14%であった.NN-NV, NV-VVとも正相関または負の相関を示した症例には心疾患例が多く, 両者とも相関なしの症例には心疾患例が少ない傾向を認めた.日を変えての相関関係の再現性を7例について検討した結果.有意な相関関係と相関なしの間での変化はみられたが, 相関関係の逆転のみられた例はなかった.抗不整脈薬投与後, 大部分の症例の相関関係の傾向は変化しなかったが, 相関関係の逆転がNN-NV関係とNV-VV関係のそれぞれ21%, 14%にみられた.以上より, 長時間心電図記録のNN-NV, NV-VV関係からPVCの機序を推定するにあたっては注意が必要である.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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