心電図
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健常高校生におけるホルター心電図法を用いた不整脈の検討
岡本 清貴川村 祐一郎飛世 克之佐藤 伸之羽根田 俊小野寺 壮吉山崎 典美牧野 幹男奈良 俊則
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1991 年 11 巻 4 号 p. 408-414

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抄録
加齢により不整脈の頻度が増加するとされているが, 年齢の揃った若年健常者の不整脈についてのホルター心電図法を用いた検討は少ない.そこで, 今回我々は健常高校1年生230名にホルター心電図記録を行い, 不整脈の種類, 頻度, 標準12誘導心電図記録との比較検討を行った.第2度房室ブロックは32名 (13.9%) にみられた.全例, Wenckebach型であり, これまでの成人での報告より高頻度だった.また12誘導心電図にてPQ時間の長い生徒ほど第2度房室ブロックの頻度が高い傾向にあった.心室性期外収縮は74名 (32.2%) にみられ, そのうち61名 (82.4%) は50個/日未満であった.12誘導心電図にて心室性期外収縮のみられなかった, 224名のうち心室性期外収縮がLown4a以上の生徒は1.3%いた.12誘導心電図において心室性期外収縮がみられなくても重症不整脈がみられることもあり, 今後このような症例の頻度と自然歴を明らかにすることが必要と考えられた.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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