心電図
Online ISSN : 1884-2437
Print ISSN : 0285-1660
ISSN-L : 0285-1660
シンチグラムと心電図, ベクトル心電図
伴野 祥一長沼 文雄岩崎 勉村田 和彦
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 12 巻 2 号 p. 175-181

詳細
抄録
虚血性心疾患151例を対象として, 負荷201TI心筋シンチグラフ (SPECT) , ECG, VOGの心筋虚血領域の判定の差異について検討した.虚血と判定したのは, SPECTで142件, ECGで140件であった.両法の判定が一致したのは117件で, 両法とも虚血と判定したうちの84%であり, 虚血についての感度は両法ほぼ同程度であった.しかし, 負荷ECGでST低下のみられた誘導部位はSPECTによる心筋虚血部位とは対応せず, ECGでは部位診断は不可能であった.左室造影をgoldstandardとした心筋梗塞数は73例で, SPECTの梗塞診断率はECGに比較して優れていた (P<0.001) が, VCGとは有意の差はなかった.梗塞部位の判定でもSPECTはECGより下壁, 後壁の診断において優れており, 診断感度では有意の差 (P<0.05) を認めた.一方, VCGとSPECTの診断感度はほぼ同様であった.診断特異度, 正診率は3法いずれも良好な成績であり, 特にECGの診断特異度はいずれも100%の成績であった.
著者関連情報
© 一般社団法人日本不整脈心電学会
前の記事 次の記事
feedback
Top