抄録
プロプラノール単独 (Prop: 0.15mg/kg静注) と薬理学的自律神経遮断 (AB: Prop0.1mg/min追加持続点滴+アトロピン0.04mg/kg静注) に対する右室心尖部 (RV) と右房側壁 (RA) の90%MAP持続時間 (MAPD90) , 有効不応期 (ERP) , および伝導時間 (AT) の反応を11例で検討した.RVMAPD90およびRVERPは, Prop後に有意に延長し (MAPD90=269±28→275±28msec, ERP=252±26→258±27mseo) , AB後にはProp後に比べてもコントロール時に比べても有意に短縮した (MAPD90=256±27msec, ERP: 339±27msec) .RAMAPD90およびRAERPはProp後に有意に延長し (MAPD90: =243±20→263±20mseo, ERP=215±21→229±19mseo) , AB後には, さらに軽度延長したが有意差は認めなかった (MAPD90: 268±16msec, ERP: 234±16msec) .RVAT, RAATはProp後, AB後に変化を認めなかった.以上より, ヒト心室では, 副交感神経刺激 (VS) と交感神経刺激 (β刺激=βS) は拮抗的に作用し, βSに比べVSの直接作用が優位であり, ヒト心房ではVSとβSは同方向に作用し, βSに比べVSの直接作用は弱いものと考えられた.