抄録
健常者50名, 過去に既往があり, かつプログラム刺激により誘発可能な心室頻拍 (VT) を有する非虚血性心疾患症例23名を対象に, 平均加算心電図を記録後, 周波数解析法 (FFT) を施行し, VT患者同定の診断的有用性につき検討した.FFTは120mseo幅のBlaokman-Harris windowを用い, 開始点がORS終点より20ms80内側 (FFT1) と, ベクトル平方和が40μV以下になる点 (FFT2) の2種類を施行し, 各々のarea ratio (AR) を算出した. (AR1=20~50Hz/10~50Hz×103, AR2=60~120Hz/0~120Hz×102) .FFTによる診断精度は従来の診断基準値では低かった.しかし, 健常者の平均±2SDによる95%信頼区間, および最も高い診断精度が得られる適正値を設定することによりFFT1, FFT2とも診断成績が向上した.このようにFFTで満足すべき診断精度が得られない場合, 診断基準値の設定変更により有用性が向上する場合もあることが示唆された.今後, 診断基準値に影響を与える因子についての詳細な検討が望まれる.