心電図
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陳旧性心筋梗塞例における持続性心室頻拍予知に対する加算平均心電図spectral turbulence analysis法の有用性
武村 珠子相原 直彦伊達 裕和田 光代勝木 桂子鎌倉 史郎下村 克朗
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1997 年 17 巻 1 号 p. 1-9

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抄録
加算平均心電図spectral turbulence analysis (STA) 法による陳旧性心筋梗塞 (OMI) 例の持続性心室頻拍 (SVT) 発生の予知に対する有用性について検討した.対象を標準12誘導心電図QRS幅が120msec未満の正常幅例 (N群) と120msec以上の心室内伝導障害例 (W群) の2群に分け, STA法の各指標 (LSCR, ISCSD, ISCM, SE) のSVTの有無に対する感度と特異性を時系列解析法と比較検討した.N群ではSTA法は時系列解析法と同程度の有用な感度と特異性を得ることができた.W群ではSTA法は4指標のうち, SEのみで感度と特異性を求めることが可能であったのに対し, 時系列解析法では全3指標を用いた従来の判定法で有用な感度と特異性を得ることができた.以上より, OMI例におけるSVT発生の予知に対するSTA法の有用性は, N群に対して時系列解析法と同程度であるが, W群に対しては時系列解析法が優れていると考えられた.
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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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