心電図
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単相性パルスと二相性パルス: 除細動効率の差の電気生理学的背景に関する検討
兼瀬 幸浩村川 裕二
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キーワード: 心室細動, 除細動, 不応期
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1997 年 17 巻 1 号 p. 37-45

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抄録

単相性パルスと二相性パルスの除細動効率の差が通電直後の非脱分極領域に残る不応期の多寡に依存するか否かを検討した.14頭の麻酔犬において, 右室のフィールド刺激 (1~16V) により電圧勾配を作成した.心筋を直接捕捉しない最長の連結期でフィールド刺激を加え, 非脱分極領域辺縁の興奮性回復時間 (post-shook reoovery interval: PSRI) を求めた.また, 左右心室の心嚢膜に縫着したチタニウム電極を介して除細動閾値 (DFT) を測定した.8mseoの単相性パルスと4msec+4msecの二相性パルスに口FTは3.3±1.0Jと2.9±1.4Jと, 有意な差は認めなかった.しかし, 個々の心のふたつのDFTの差は, 10V以上のフィールド刺激で測定したPSRIの差に有意な逆相関を示した (10V=r=-0.62, p<0.05, 16V: r=-0.75, p<0.01) .各個体における両波形の除細動効率の差は通電直後に非脱分極領域に残る不応期に依存していると考えられた.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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