心電図
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スルホニルウレア受容体のアンチセンスオリゴによる新生児ラット心筋ATP感受性K+チャネルの抑制効果
横式 尚司甲谷 哲郎北畠 顕Nicholas Sperelakis
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1999 年 19 巻 2 号 p. 120-124

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抄録

スルポニルウレア剤やK+チャネル開口薬のATP感受性K+ (KATP) チャネルに対する作用は, チャネルのサブユニットであるスルポニルウレア受容体 (SUR) によって制御されていると考えられている.本研究では, 心筋KATPチャネルの機能的なSURを同定するため, 新生児ラット心室筋細胞を培養し, SURのmRNAに対するアンチセンスオリゴ (AS-SUR) を6日間処置し, KATPチャネルへの影響をパッチクランプ法にて検討した.SUR1, SUR2に対するアンチセンス (AS-SUR1, AS-SUR2) ならびに各々に対するスクランブル配列のオリゴを用いた.代謝阻害により誘発された (0mVにおける) KATPチャネル電流は, 無処置群 (Ctrl) では48.9±2.8pA/pF (n=48) であったが, AS-SUR1ならびにAS-SUR2処置により各々34.3±3.5pA/pF (n=21) , 23.5±3.4pA/pF (n=17) に減少した (: P<0.05, : P<0.01vsCtrl) .対照として用いたスクランブル配列のオリゴはKATPチャネル電流量に影響しなかった.したがって, ラット新生児心室筋のKATPチャネルでは, 心筋タイプとされるSUR2のみならず, SUR1もチャネルの構成成分として機能していることが示唆された.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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