ATP感受性Kチャネル (以下KATPチャネル) は, 近年の精力的な研究の結果, Kir6.xとSUR (sulfonylureareoeptor) の2つの異なるサブユニットが細胞膜で4量体を形成して機能することが発見された.我々は, KATPチャネルが, 虚血に際して心筋保護的に働くことから, ラット心筋梗塞モデルを用いて虚血刺激がKATPチャネルに与える影響を, その構成サブユニットことに検討した.60分以上の虚血刺激によりKATPチャネルのチャネル孔を形成するKir6.1分子のupregulationが特異的に観察された.ついで, CDS7細胞を用いた再構築系を用いて, このKir6.1の増力口の意義を明らかとするため4量体を作るKチャネル分子の中にKir6.1が入り込むことによりSUR2A/Kir6.2チャネルの性質を変え, ひいてはATPに対する感受性の変化を起こす可能性を検討した.