1999 年 19 巻 2 号 p. 161-169
先行する短時間心筋虚血 (ischemic Preoonditloning) は, 長時間虚血により生じる心筋壊死サイズを縮小する.本研究では, 麻酔開胸イヌを用いそのメ力ニズムを検討した.その結果, 1) ischemic preconditioningによる心筋梗塞サイズ縮小効果には, アデノシン産生酵素活1生化が関与する, 2) protein kinase C活性化に力口えてATP感受性K+チャネル開口がアデノシン産生酵素活性化に関与する, 3) ミトコンドリアに存在するATP感受性K+チャネルはIPへの関与の割合が少ない, ことが明らかになった.以上の結果より, isohemio preoonditioningによる心筋保護作用にはアデノシン産生酵素・アデノシンーATP感受性K+チャネル開口の連関が重要であることが示された.