抄録
わが国では, 2チャンネルHolter長時間心電図記録誘導は通常CM5とNASA誘導が採用されている。CM5はV5の波形に類以しleadvectorは左右成分が大きく, わずかに上下成分を含みNASA誘導は, 上下成分と前後成分のleadvectorを含み, 理論的にはいずれの方向の心起電力変化もこの2誘導で表現されるといわれるが, NASA誘導は, 体型や心臓の電気軸で上下成分と前後成分の組成が種々異なり標準12誘導との比較に問題があったり, 体位変換で同一個人で波形の変化が著しく認められることがしばしばある。
われわれは, むしろ上下成分を代表するaVFに類以するML (胸骨柄一左腸骨棘) , MR (胸骨柄一右腸骨棘) , HL (右後頚部-左腸骨棘) , HS (右後頚部-仙骨部) をNASA誘導の代りに試みた。HL, HSはS/N比の劣ることから除外し, 最終的に標準12誘導心電図の波形のP, ST, T, Uの反映がより優れていることから第2チャンネルにML誘導をroutineに採用することとした。