抄録
lschemic preconditioning (IPC) は, 心筋に短時間の虚血負荷をあらかじめ与えることで, 虚血に対する耐性を獲得させ, その後の虚血心筋障害が減少する現象である.そしてearly phaseとdelayed phaseのIPCのメカニズムは異なると考えられる.この異なるメカニズムにtyrosine phosphorylationが重要な役割を演じていると考え, 本研究を行った, その結果, 家兎の心筋虚血-再灌流モデルでは, early phaseにおいてIPC操作による梗塞巣縮小効果やアポトーシス出現抑制が認められ, これはgenisteinによっても抑制されなかった, 一方delayed phaseでは, lPC操作により梗塞巣縮小効果やアポトーシス出現は抑制されるが, genistein投与により消失しdelayed phaseによる心筋保護のメカニズムにtyrosine phosphorylationが重要な役割を演じていることが示唆された.