抄録
細胞膜表面にあるATP感受性K+ (KATP) チャネル (surfaceKATPチャネル) と, ミトコンドリア内膜にあるKATPチャネル (mitoKATPチャネル) のプレコンディショニングにおけるエンドエフェクターとしての役割について検討した.KATPチャネル開口薬と阻害薬のmitoKATPチャネルとsurfaceKATPチャネルに対する選択性を検討した結果, diazoxideはmitoKATPチャネルをP-1075はsurfaceKATPチャネルをそれぞれ選択的に開口した, 一方, 5-hydroxydecanoate (5HD) はmitoKATPチヤネルをHMR1098はsurfaceKATPチャネルをそれぞれ選択的に阻害した, 家兎心室筋細胞を用いたpelleting虚血モデルにおいて, diazoxideは虚血による細胞死を抑制し, この作用は5HDにより消失したがHMR1098では消失しなかった.これに対し, surfaceKATPチャネル開口薬P-1075では虚血による細胞死を抑制しなかった.すなわち, 虚血心筋保護効果にmitoKATPチャネルがエンドエフェクターとして重要な役割を担っていることが判明した.