抄録
エンドトキシンの心血管系や自律神経系機能に対する影響を検討する目的で, 無麻酔・無拘束下でラットにエンドトキシンを投与し, テレメトリー法により心拍数, 血圧, 体温, 活動量を記録するとともに, 心拍変動解析を行い自律神経系機能に対する影響に関しても検討を行った.エンドトキシンは, 心拍数を比較的低濃度から増加させるが, 体温および血圧の反応は投与量によって異なることが明らかとなった, また, 心拍数, 体温, 血圧および活動量の日内変動は明期と暗期における差が減少するため不明瞭になることが明らかとなった.そして, 日内変動の減少には自律神経系による調節機能の低下が関与している可能性が示唆された.以上の結果から, エンドトキシンによる病態の発現時に, 従来の心拍数や血圧値のモニターなどに加えて心拍変動解析により自律神経系機能に関しても評価することは, 臨床の場における診断, 治療に有効な情報を提供するものと考えられた.