心電図
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日内変動を認めない発作性心房細動に対するI群ならびにIII群抗不整脈薬の再発予防効果の検討
小松 隆中村 紳鈴木 修堀内 大輔蓬田 邦彦奥村 謙
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2005 年 25 巻 6 号 p. 527-534

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抄録

【目的】以前, 我々は発作性心房細動 (Af) に対して, 発症時間に影響する自律神経緊張のタイプに応じた薬剤選択が治療成績を向上させることを報告した.しかし, 発症時間帯に偏りのみられない混合型は, 日中型あるいは夜間型Af例に比し, 抗不整脈薬療法に抵抗性で, 慢性Afへの移行例を高頻度に認めることを報告した.今回, 我々は混合型発症Af例に対する抗不整脈薬療法の再発予防効果を評価し, 有効薬剤を検討した.【対象ならびに方法】発症時間帯から, 日中型 (午前7時~午後5時) , 夜間型 (午後5時~翌午前7時) , 混合型 (両時間帯に出現) に振り分け, 混合型Af例に対する1群ならびに皿群抗不整脈薬の再発予防効果を比較した.【結果】 (1) 第一選択薬: 観察期間12ヵ月目時点での非再発率は, ジソピラミド群 (n=37, 300mg/日) が32%, アプリンジン群 (n=38, 60mg/日) が32%, シベンゾリン群 (n=40, 300mg/日) が30%であり, 各抗不整脈薬間に有意差を認めなかった、 (2) 第二選択薬: 観察期間12カ月目時点での非再発率は, ピルジカイニド群 (n=56, 150mg/日) が21%, フレカイニド群 (n=61, 150mg/日) が20%, ベプリジル群 (n=58, 150mg/日) が19%であり, 各抗不整脈薬間に有意差を認めなかった. (3) 第三選択薬: アミオダロン (n=55, 200mg/日) による観察期間12ヵ月目時点の非再発率は53%であり, 前述したI群抗不整脈薬ならびにベプリジルに比しいずれも有意に高率であった (p<0.05) .【結語】混合型発作性Afへの薬剤選択において, 1群薬あるいはべプリジルに比しアミオダロンがより優れた再発予防効果を示す.

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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