抄録
60歳以上の洞不全症候群56例を対象とし, 主として内科的治療群34例を中心にその症状, 心電図所見.予後を検討し, ペースメーカー植込み基準の再評価を試みた。
典型的症状を呈する例の最大洞停止時間の平均値は非典型的症状例に比し有意な延長を示したが, 個々の例については症状との不一致もみられ, 老年者の症状の判定には慎重を要することが示唆された。
内科的治療群のうち後刻ペースメーカー治療を必要とした例は6例 (17.6%) , 心臓死を呈した例は5例あり, 内科的治療法の限界が示唆された。最大洞停止時間と予後との関連よりみると, 洞停止時間が3秒以上の例ではペースメーカーの適応があり, 2秒以上3秒未満の例についてもペースメーカーの相対的適応として慎重な経過観察が必要であると考えられる。