心電図
Online ISSN : 1884-2437
Print ISSN : 0285-1660
ISSN-L : 0285-1660
同時20点心外膜マッピング法の考案
小塚 裕古瀬 彰浅野 献一
著者情報
ジャーナル フリー

1985 年 5 巻 3 号 p. 335-345

詳細
抄録

不整脈の外科的治療に際し術中心室心外膜マッピングを迅速かつ正確に行うことを目的として同時20点心外膜マッピング法および20点同時電位記録用電極 (プリント配線ストッキソグ電極) を考案した。動物実験において正常伝導時, 右室ペーシング時, 左室ペーシング時, 完全右脚ブロック時, 心室頻拍時に同時20点心外膜マッピングを行い, 心室興奮伝播図を作製した。コンピュータ処理による電位の自動認識, 計測および興奮伝播図表示が可能であった。1点つつ電極をあてて電位記録を行い, 基準点からの時間差を計測する従来の心外膜マッピング法に比較し, 本法には次のような利点が認められた。1) 心外膜マッピングに要する時間を数分間に短縮できる。2) 数心拍の心室頻拍で心外膜マッピングが可能であり, 循環動態に対する影響が少ない。3) 同一心拍の電位記録でマッピングを行うことが可能なためPR間隔やQRS波形が一定でない心室頻拍においても正確なマッピングが可能である。本法には以上のような利点があり, 心室心外膜マッピングの方法として有効であると考えられる。

著者関連情報
© 一般社団法人日本不整脈心電学会
前の記事 次の記事
feedback
Top