心電図
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筋強直性ジストロフィー症の1家系における電気生理学的検討
広正 修一池田 孝之久保田 幸次高田 重男寺川 俊典広瀬 龍吉服部 信
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1985 年 5 巻 3 号 p. 355-363

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抄録

3兄弟の筋強直性ジストロフィー症について電気生理学的検討を行った。症例K.K., 42歳, 男性。動悸発作を主訴として当科受診。洞調律時心電図では1度房室ブロック, 心室内伝導障害がみられ, 頻拍発作時心電図では左脚ブロック型の心室頻拍を示した。His束心電図ではA-H時間130msec, H-V時間70msecであった。症例T.K., 41歳, 女性。心電図では右軸偏位, Wenckebach型2度房室ブロック, 心室内伝導障害, 心室性期外収縮がみられ, His束心電図ではA-H時間210msec, H-V時間80msecであった。症例S.K., 38歳, 男性。心電図では左軸偏位, 1度房室ブロック, 心室内伝導障害を示し, His束心電図では, A-H時間140msec, H-V時間75msecであった。以上より, 本症ではHis-Purkinje線維系のみならず房室結節内での伝導障害の存在が示唆され, 時に頻拍性不整脈の発生の可能性も考えられた。

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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