心電図
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不整脈出現の周期性に関する実験的研究―徐脈性不整脈の概日リズム―
大塚 邦明大塚 敬子川上 倫瀬戸 勝男小川 正晴小沢 利男矢永 尚士
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1985 年 5 巻 3 号 p. 365-374

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抄録

Wistar雄性ラットを用いて14/10時間の照明条件, 自由行動下での脳波 (皮質・海馬) , 心電図 (I, II, III誘導) 6日間連続記録を行った。脳波記録より睡眠深度を覚醒 (A) , 徐波睡眠 (SWS) , 逆説睡眠 (PS) に分類した。最小二乗法によりcosine曲線のあてはめを行い周期性を検定した。健常ラットであるにもかかわらず洞房ブロック, Mobitz I, II型の房室ブロック等の徐脈性不整脈 (BA) が出現し, 頂点位相8.8時の24時間周期性を示した (p<0.01) 。睡眠とBAの相関を検討したところ, A, SWS, PSのBA出現率は0.4, 0.3, 14.5%とPSに高頻度であった。生直後より神経成長因子NGFを投与し交感神経系を過剰成長させたラットで同様の検討を行った。BA出現の24時間周期性およびBAとPSとの相関が強調された。本研究はBAの出現に24時間周期 (概日リズム) が存在すること, この周期性に交感神経系が関与していることを示唆している。

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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