心電図
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学童不整脈の臨床的検討
―その頻度、再現性、他の心疾患の合併、運動負荷に対する反応―
鼠尾 祥三覚前 哲長谷川 浩一寒川 昌信和田 佳文沢山 俊民浅木 秀樹
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1985 年 5 巻 3 号 p. 375-381

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抄録

1.岡山県下で1次検診心電図が記録された58, 366名の学童のうち, 不整脈は1.4%にみられた。その頻度は学年別にみると小学生1.1%, 中学生2%, 高校生2.6%と高学年になる程増加した。
2.1次検診で不整脈を指摘され来院した学童125名について以下の結果を得た。
1) 期外収縮に再現性のない例が多く, また自律神経の関与が大きいと思われる不整脈に再現性のない例がみられた。
2) 不整脈を指摘された学童のうち他の心疾患合併の頻度は4%と低かった。心室性期外収縮を有する学童の5%に僧帽弁逸脱症候群を認めた。
3) 運動負荷により心室性期外収縮は77%で消失ないし減少し, 心房性期外収縮, I度・II度房室ブロックに大多数で正常化し, accelerated idioventricular rhythmは全例正常化した。

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© 一般社団法人日本不整脈心電学会
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